メールマーケティングはその名の通りメールを使ったマーケティング全般のことを指しますが、SNSが普及した現在でも費用対効果の高いマーケティング施策の1つです。
なぜメールマーケティングが注目されているかというと、低コストで導入すること、メール内にSNSや自社のサイトへのリンクを張れるので相乗効果が期待できること、そして効果検証ができるからです。
例えば、これまでテレアポで営業に苦戦している会社が、自社のWebサイト訪問履歴を解析し興味のありそうな人に絞ってメール配信、そのメールに対してアクションがあった顧客にコンタクトをしたところ、アポイント獲得が多くなったという事例があります。
このように、メール配信の仕方を工夫するだけで営業やマーケティング活動を改善できる点がメールマーケティングの魅力といえるでしょう。
そこで今回は、これからメールマーケティングを始めたい人向けに、メールマーケティングのメリットからおすすめのサービスまで徹底解説します。
目次
メールマーケティングとは
メールマーケティングとは、対象となる企業や個人に最適なタイミングでその人に合ったメールを配信することで、ユーザーが商品やサービスを購入することや問い合わせをすることを誘導する手法のことです。
メールマガジンと混同されることがありますが、メールマガジンは同一の内容をユーザーに一斉配信することに対して、メールマーケティングは特定のユーザーにその人に合ったコンテンツを最適なタイミングで配信するという違いがあります。メールマガジンの目的が顧客とのエンゲージメント、一方でメールマーケティングの目的は集客といえるでしょう。
メールマガジンのコンテンツはある程度自由に考えることができますが、メールマーケティングの場合、メール配信するユーザーが決まっていますのでそのユーザーに合った情報を盛り込んだ内容にする必要があります。
2016年に実施された調査によると、10代20代以外の全ての年代で最も使われているコミュニケーションツールはSNSではなくメールであることがわかりました。現在のようにSNSが普及していても、メールはまだまだ身近なツールとして多くの人に利用されているのです。
マーケティングを行う側も、日ごろから使い慣れているメールを使うことができるのはよいのではないでしょうか。
メールマーケティングの始め方としては、まずは目標の設定です。例えば自社のサービスへの問い合わせを20件増やす、などです。その次に必要なことはターゲットの設定です。自社のサービスを利用するユーザーの特徴をまとめ、セグメントすることも効果的です。セグメントを細かくしすぎてしまうとその分工数がかかりますので気をつけましょう。そしてメール配信先リストの準備、コンテンツの作成をし、メール配信をすることになります。
コンテンツを工夫することも大事ですが、内容に誤りがないかを確認することも重要です。例えば、商品の発売日を誤って記載してしまったら別途訂正メールを配信する必要があるからです。配信前に内容をチーム内でダブルチェックすることでミスを回避できるでしょう。
メールを配信した後は、メールマーケティングツールの機能を利用して効果測定をして次の戦略につなげていきます。
注意しなければいけない点は、定期的にメールの配信リストを改定して誤送信を防ぐこと、まずメールを開封してもらうために件名を工夫すること、そして適切な配信時間を見極めることです。
メールマーケティングのメリット
メールマーケティングのメリットは大きく3つが挙げられます。1つ目のメリットはコストです。他のマーケティング施策に比べて費用を抑えることができます。なぜなら、メールマーケティングに必要なものは分析ツールの費用くらいで、ランニングコストがあまりかからないことが特徴だからです。最安値ですと、数千円から利用できるサービスもあります。
2つ目のメリットは、ユーザーに合った内容を配信できることです。例えば30代・女性・都内勤務などセグメントされたグループに対して、より適切なメールマーケティングを行うことで効果が期待できます。一方、メルマガは一斉配信なので、その内容が全てのユーザーの興味を引くとは限りません。
3つ目のメリットは効果検証ができることです。メールマーケティングツールによっては、どのユーザーがメールを開封したか、URLをクリックしたか、などがわかるので施策の効果検証も可能です。また、開封したユーザー向けに別の施策を打つこともできるので、ユーザーに合ったマーケティング活動を進めることができるでしょう。
反対にメールマーケティングのデメリットは、メルマガよりも高い頻度でコンテンツを配信する必要があるので、ユーザーを惹きつけるようなメール内容を考えなくてはいけません。担当が1人だけの場合、やや負荷がかかる可能性があります。さらに長期的に運用することで効果が現れるので、チーム体制で携わることがおすすめです。
また、ターゲットを絞ってメール配信をする場合、ユーザーグループごとのトレンドや流行にも目を向けてメールコンテンツを考えなければいけないので、トレンドやライフスタイルの情報にもアンテナを張る必要があります。
しかし、この点さえクリアできれば、メールマーケティングをスムーズに導入することができるでしょう。
メールマーケティングツールの特徴
メールマーケティングツールには大きく分けて2種類があります。メール配信ツールとMA(マーケティングオートメーション)ツールです。メール配信ツールはユーザー全員に向けてメールを一斉送信するツールで、MAツールはユーザーの集客から見込み客の育成・選別の各段階で最適な施策を自動的に打ってくれるツールです。各ユーザーに合った施策を打ちたい場合、また施策の検証を行う場合はMAツールを使うほうがよいでしょう。
また、最近ではAIを活用したメールマーケティングツールも出てきました。例えば、メールを配信するための最適な時間の抽出、メールコンテンツの最適化、最適な件名の発見等です。自社ですでにメール配信に関わるデータを持っている場合は、AIを活用する方法もおすすめです。
主な機能
メールマーケティングの機能としては、ステップメール、ターゲティングメール、そして休眠顧客掘り起こしメールの3つが挙げられます。
ステップメールとは、例えば特定の商品を購入したユーザーに、次に必要とされる情報を複数回メールで配信します。そしてメールを開封したユーザーや、URLをクリックしたユーザーにはさらに別のメールを配信する流れとなっています。ユーザーの購買意欲を高めることが目的です。ステップメールのコツは、どのような内容を配信すればユーザーは次のアクションを取ってくれるか、と考えることです。ユーザーが商品やサービスに対して何かしらのアクションを起こすまでのプロセスを表す、カスタマージャーニーを活用することもおすすめです。
ターゲティングメールは、ユーザーを特定の条件でグループ化し、そのグループによって適切な情報を配信する方法です。ユーザーは自分により適切な情報が届くため、メールの開封率やURLをクリックする確率が高くなります。ターゲティングメールと先ほど述べたステップメールを組み合わせて、特定のユーザーに、適切なタイミングでメールを配信する方法もあります。事前に自社のユーザーをセグメント分けすることで、ターゲティングメールをスムーズに配信することができるでしょう。
休眠顧客の掘り起こしメールとは、その名の通り一定期間購入等が見られない顧客に対してメールでアプローチする方法です。例えば、メールの件名を魅力的なものに変更することや件名に顧客の名前を入れて、まずはメールに興味を持ってもらう工夫が必要です。配信したメールに対して何かしらのアクションが見られれば、ステップメールやターゲティングメールに切り替えてアプローチしていきます。
おすすめメールマーケティングツール5選
ここまで記事をお読みいただいて、メールマーケティングに興味を持った方もいることでしょう。しかし、メールマーケティングツールを扱う会社はたくさんありますので、どこを選べば良いか迷いますよね。ここでは、おすすめのメールマーケティングツールを5つご紹介します。
APOLLO SALES
APOLLO SALESは、アプローチしたい企業の条件を設定するとインターネット上の企業情報からリストを作成します。情報収集の時間を削減できることがポイントです。
作成されたリストの顧客に対して自動でメールを配信できるので、効率よくアポイントを取得できます。これからマーケティングを強化したい企業や、マーケティング人員が不足している企業におすすめのツールといえるでしょう。
●アポロセールス https://apollo.sales.jp/lp02/
GeAIne
GeAIneは人工知能を活用した営業サポートツールです。問い合わせフォームや企業メールに直接アプローチをして、ニーズのある顧客とのアポイント獲得につなげてくれます。
ベンチャー企業やスタートアップの企業は電話番号を表示していない場合がありますが、GeAIneを利用するとテレアポではアプローチできない企業にもアプローチすることできます。電話番号は表示されていなくても、お問い合わせフォームはほとんどの企業に表示されているからです。自社の営業活動をより効率よくしたい企業におすすめのツールといえるでしょう。
配配メール
配配メールは、導入実績が8,000社を超えるメルマガ配信・一斉メール配信サービスです。
シンプルな機能とリーズナブルな費用で、継続利用率98%、サポート満足度95%と信頼できるサービスといえます。
特徴としては、メール配信とマーケティングオートメーション(MA)の中間に位置していて、MAよりも簡単にリーズナブルな価格で利用できることでしょう。
顧客のメール開封、クリック、サイト訪問の情報から顧客の見える化ができるので、その後のテレアポや商談の効率化が期待できます。これからメールマーケティングを始める企業でも、安心して利用することができる点がおすすめです。
List Finder
List Finderは、上場企業での導入率No.1のマーケティングオートメーションです。月額3万円から始められる点と、導入初期に担当コンサルタントがつく点がポイントです。List Finderにもメール配信機能があり、配信後のWebサイト行動履歴が把握できることが特徴です。メール経由でどんな人がWebサイトに来たのかを把握することで、顧客がどんなことに興味があるのか、どのくらい興味があるのかまでも測ることができます。顧客のニーズが把握できることで、その後の商談をスムーズに進めることができるのではないでしょうか。
お名前.comメールマーケティング
お名前.comのメール配信システムは一番安いプランですと月額790円から利用できるので、低コストでメール配信サービスを利用したい企業におすすめです。
3000件以上の導入実績や月間2.5億通の配信実績があるので、低コストでも信頼できるサービスといえるでしょう。さらに年中無休のサポートがありますので、初心者でも安心して利用することができます。
まとめ
SNSが普及した現在でもメールの利用者は多いため、メールマーケティングは有効なマーケティングツールの1つといえるでしょう。
営業活動に苦戦している企業や、これから自社のサービスを展開したい企業におすすめです。低コストで導入が可能で、複雑なスキルも必要ないため導入のハードルが低いことも特徴です。
メルマガとは違い、指定した条件のユーザーにメール配信できるので、集客を目的とするマーケティングに利用するといいでしょう。
メールマーケティングは、目標設定、配信するターゲットの設定、リスト作成、メールコンテンツ作成、そしてメール配信と配信後の検証という流れになります。
メールマーケティングサービスを利用すると、メール配信だけではなく、その後のWebサイト行動履歴や顧客の興味やニーズを把握することもできるので、その後のマーケティング戦略を立てること、営業と連携したアポイント獲得につなげることも可能です。
メールマーケティングは定期的なコンテンツ内容の作成や、長期的に運用する必要があるため、チーム体制を整えることも重要です。
メールマーケティングツールを提供している会社はたくさんありますので、自社の予算やプランに合う会社を選びましょう。