CPAとは!?

WEBマーケティングに関る人なら、毎日のように飛び交うマーケティング用語の「CPA」。

これからWEBマーケティングに関りたい人は、絶対に抑えておきたいマーケティング用語の1つです。
今回はこの「CPA」について、ご紹介致します。

CPAとは


Cost Per Acquisition

CPAとは、Cost Per Acquisitionの頭文字を略語にしたもので、1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告コストのことを示します。
CPAは目標設定に使うことは勿論のこと、広告運用している媒体別にみることで、媒体毎の生産性を掴むことができるWEBマーケティングにおける最も重要な指標の1つになります。

CPAの計算式

CPAの計算式は以下になります。

CPA=広告費/成果獲得数

成果獲得数は、別名コンバージョンとも表現されます。

CPAの計算例

仮に広告費が1,000万円、成果が10,000件の場合、

10,000,000/10,000=1,000(円)

となり、1件広告で獲得する為に必要な費用は1,000円になります。

CPAの使い方は!?


CPAは主に目標設定と広告施策の生産性分析に活用できます。

目標設定

例えば、化粧品の通販で、1購買辺りのCPAが1,500円。月に100個の販売が必要な場合の広告費は、

1,500(円)×100(個)=150,000(円)

となります。

CPAを把握しておくことで、100個の販売をするためには、150,000円の広告予算が必要と計算することができます。

生産性の分析

各媒体毎にCPAを把握することで、自社の製品と相性の良い媒体を把握し、生産性の高い媒体に集中することができます。

また、その際、1件ユーザーを獲得するために必要な費用の限界値を、【限界CPA】として設定しておくことで、生産性の合うものは、さらに最大化する施策を打ちつつ、生産性の合わない媒体は、止めるもしくは予算を小さくして、【限界CPA】の範囲にコントロールすることができます。

媒体名 CPA
リスティング広告(G) 1,000円
リスティング広告(Y) 1,200円
GDN(リターゲティング) 800円
YDN(リターゲティング) 1,800円
GDN(インタレストマッチ) 3,000円

限界CPAが1,000円の場合、リスティング広告(Y)、YDN(リターゲティング)、GDN(インタレストマッチ)は限界CPAを越えているため、止めるもしくは予算を縮小させるといった施策をとるのが一般的です。

ただし、ユーザーが直接その媒体を経由した場合の【直接CV】だけをみると、実は間接的にCVに貢献していた媒体を見落としてしまうため、注意が必要です。

カスタマージャーニーを可視化して、アトリビューション分析をすることで、媒体の【間接CV】を明らかにすることで、広告効果をより正しくみることが可能になります。

カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客が商品を購入に至るプロセスのことを言い、顧客がどのように商品と接点を持ち、購入に至ったかを可視化したものを【カスタマージャーニーマップ】と言います。

例えば、テレビCMをみて、商品を知り、インターネットで検索したところ、比較サイトで商品の理解を深め、その後、再度商品検索をして、リスティング広告を経由して、商品を購入した場合、直接的なCVはリスティング広告ですが、間接的にCVに貢献しているのは、テレビCMと比較サイトになります。

顧客がどのような流れで自社の商品の購入に至ったのかを把握することで、マーケティングプロセス全体を最適化することが可能になります。

アトリビューション分析とは

アトリビューションとは、【間接効果】の意味を持ちます。アトリビューション分析では、直接的な媒体効果だけではなく、間接的な媒体効果を把握し、マーケティング施策全体を最適化するために行います。

アトリビューション分析を行うことで、カスタマージャーニーが明確になり、広告施策を点ではなく、線や面で行うことが可能になります。

広告弾力性のパターンを考えて、CPAをコントロールする


広告弾力性とは!?

広告弾力性とは、

広告投入量に対し需要がどの程度変化するかを示す数値。例えば、広告投入量を10%増加させた場合に需要が10%増加すれば広告弾力性は1、20%増加すれば広告弾力性は2となる。

引用元:http://www.weblio.jp/content/%E5%BA%83%E5%91%8A%E5%BC%BE%E5%8A%9B%E6%80%A7

上記のような意味になります。

広告弾力性のパターンとは

例えば、リスティング広告に300,000円投下し、CPAが300円の場合、獲得件数は1,000件になりますが、より成果を増やす為にリスティング広告にさらに予算追加をして1,000,000円にした場合、CPAはどのように変化するのでしょうか。

・効果維持パターン:300円⇨300円

・効果向上パターン:300円⇨100円

・効果低下パターン:300円⇨600円

上記のように、大きく分けると3つのパターンになります。一番ベストなのは、【効果向上パターン】で、広告をより増加させることで、CPAを下げて広告効果をさらに高められることですが、各々の商品には媒体毎に広告弾力性があるため、今の効果が広告費を増加させた場合にどうなるのかといった視点を持つことで、広告効果を最適化することが可能になります。

CPAと合わせて覚えたい指標


CVとは

CVとは、conversionの略語でWEBサイトにおける目標の達成を示します。

CPCとは

CPCとは、Cost Per Clickの頭文字をとった略語で、WEB広告における【クリック単価】を示します。

CPMとは

CPMとはCost per Milleの頭文字をとった略語え、WEB広告における【広告表示回数1000回辺りの料金】を示します。

まとめ


いかがでしたか。CPAとは、Cost Per Acquisitionの頭文字を略語にしたもので、1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告コストのことを示す、WEBマーケティングにおける最も重要な言葉の1つです。

CPAを駆使することで、目標設定や施策の生産性を測ることができるので、CPAという言葉の意味だけではなく、是非使い方も含めて、学んでいきましょう。

LTVとは!?

LTVとは!?日頃のビジネスの会話の中でもよく出てくるこの言葉で、特にマーケティングに関わる人であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

LTVを知ることで、視点が広がり、マーケティングの幅が広がることはもちろんのですが、LTVを高めることで、事業の生産性を上げることができるため、マーケティングにおける重要な指標の一つになっています。

今回の記事では、LTVの意味は勿論のこと。計算式や具体例。さらにはLTVを高めるためにできることを考察していきたいと思います。

LTVとは


Life Time Value「顧客生涯価値」

LTVとは、Life Time Valueの頭文字をとった略語で、「顧客生涯価値」を意味するマーケティング指標の一つになります。
1人の顧客が自社の商品・サービスにどれくらい貢献しているのかを測ることができます。
LTVを見ることによって、「より顧客が自社の商品やサービスのファンになり、消費量を増やしてもらうにはどうしたらいいのか。」を考える上で、とても大切な指標です。

LTVの計算式

LTVの計算式は、以下になります。

LTV = 平均購買単価×購買頻度×継続購買期間

LTVの計算例

例えば、求人の広告掲載で、平均購買単価が200,000円、購買頻度が5回、購買期間が12ヶ月(1年)の場合

200,000×5×1=1,000,000(円)

となり、1顧客から得られる1年間の売上高は1,000,000円となります。

顧客別にLTVを算出してみる

LTVをみる場合、全体の平均値だけに目が行きがちですが、平均値だけではなく、顧客別にLTVを算出することで、

・どの企業が自社の商品・サービスに貢献しているのか。

・どの企業が自社の商品・サービスに貢献していないのか。

が見えてきます。

そこから、

・どの企業郡が自社の商品・サービスに貢献しているのか。

・どの企業郡が自社の商品・サービスに貢献していないのか。

という具合に貢献企業・非貢献企業のグルーピングお行い、

なぜ貢献(非貢献)しているのか。

考えていきましょう。

思いつく限りの仮説で議論するもよし、貢献顧客・非貢献顧客にアンケートを行い、ファクトを積み上げていくことも大切です。

そうすることで、LTVを高めるためのスタートラインに立つことができます。是非一度自社の商品・サービスで分析してみてはいかがでしょうか。

LTVを高めるためには


LTVを高めるためには、以下の4つが重要なポイントになります。

 ・平均購入単価を上げる
 ・平均購買点数を増やす
 ・購入頻度を上げる
 ・継続期間を伸ばす

以下では、具体的に一つ一つのポイントについてご紹介致しますが、全てにおいて大切なのは、各々の項目を向上させるためには、「どのようなファクトを拾い上げ、仮説につなげ、策(打ち手)を講じるか」になります。

平均購入単価を上げる

平均購入単価は、顧客が自社の商品・サービスを購入する際の平均単価を意味しますが、この平均単価を上げることで、計算式から考えると、LTVは確実に高くなります。

平均購買点数を増やす

平均購買点数とは、顧客が一度に買う商品やサービスの数を意味していますが、平均購入単価を上げる上では、一度に購買いただく商品やサービスの数を増やすことが方法の1つになります。
特に、小売店や通販等のビジネスにおいては、有効的な視点と言えるでしょう。

購入頻度を上げる

購入頻度とは、ある期間の中で、自社の商品・サービスを購入していただける回数を増やすことを意味します。
またその商品を買いたくなる仕掛けやきっかけをどのように作ればいいのか。ここを考えること重要です。

継続期間を伸ばす

継続期間とは、その商品・サービスをどの位の期間使い続けるかという意味合いと、使い終わった後も継続的に購買につなげて、トータルでの利用期間を意味します。

LTVを高める為には、CRMの構築がカギ


CRMとは

CRMとは、Customer Relationship Managementの頭文字をとった略語で、顧客関係管理の意味です。以下、Wikipediaを引用して、ご紹介致します。

顧客関係管理(こきゃくかんけいかんり、Customer Relationship Management(CRM))とは、顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法である。顧客情報管理、顧客関係構築、単に顧客管理と訳される場合もある。

概要

大量生産・大量消費を前提としたマスマーケティングの時代から、消費者個別のニーズに合わせた One to Oneマーケティングの時代へという市場環境の変化により、特に製品単体での差別化が難しい業界(金融やリテール)で注目を集めていた経営コンセプトである。顧客あるいは見込み客が体験する企業との人的・非人的対話をより良いものとすることで、顧客の獲得や維持の向上を目指すものである。

CRMという概念は、比較的最近のコンセプトに思われがちであるが、近所の個人商店で顔見知りの顧客に提供するようなハイタッチの関係を大規模に再現することを目指すものであり、日本でも江戸時代から大福帳などで見られるように実践されていた。単に売上高のみを管理するだけではなく、個人にフォーカスした経営が重要であることは、感覚的に理解しやすい。新規顧客獲得に対して、既存顧客からの継続・追加と離脱によるロスの防止の方が、はるかに収益性が高いとされることが、基礎となっている。

CRMの実践には、財務や税務処理といった観点の管理(伝票処理システムなど)とは別に、「顧客」を「個客」としてその行動をミクロに捉える視点と管理のテクノロジー、顧客指向の組織横断的なプロセス、そして顧客指向で行動する人が必要である。

CRMのタイプ/領域

実行系 (Operational) CRM

顧客接点とフロントオフィスのプロセスを改善することで、顧客の体験とパフォーマンスを向上することを目指すタイプのCRM。

Sales Force Automation (SFA) –
商談/案件の状態を把握し、営業方法論(メソドロジー)に基づいたプロセスを通して成果の向上を目指す。売り上げ予測(フォーキャスト)、評価と連動されることも一般的である。
Service Automation –
コールセンター、FAQ/ナレッジベースなどにより、カスタマーサービスの品質と生産性を向上することを目指す。音声、Eメール、チャットなどのチャネルと、これにともなる応対の履歴を統合することも一般的である。

Marketing Automation –
B2Cではセグメンテーション等に基づく多数のキャンペーン実行や、顧客行動に基づく自動オファリングなどによる成果拡大を目指す。B2Bではリードナーチャリング等による営業初期段階の支援を目指す。

分析系 (Analytical) CRM

データマイニング、テキストマイニング、映像分析などの手法により、顧客の行動や収益性、対応プロセスなどを分析し、改善や自動化に活用して成果を得ることを目指す。分析に必要なデータを集積するデータウェアハウスや可視化も欠かせない要素である。

行動分析 –
古典的には購入履歴、後に問い合わせ履歴、Webアクセス、最近では店頭での行動から顧客の嗜好や期待を理解する。

収益性分析 –
例えば電話による問い合わせ有無など、顧客の購買やサービス利用の行動はその収益性に影響する。ABCと合わせて、顧客の価値を金銭的に把握することができる。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%A7%E5%AE%A2%E9%96%A2%E4%BF%82%E7%AE%A1%E7%90%86

顧客の行動を可視化し、パーソナライズされた顧客に「必要な時に、必要な情報を、あらゆるチャネルを使って届ける」ための仕組みを構築することが、顧客満足度を高めて、結果としてLTVを高めることができるのではないでしょうか。

CRMに関しては、セールスフォース、サービスオートメーション、マーケティングオートメーション等様々なツールがあるため、また別の記事で紹介させていただければ幸いです。

まとめ


いかがでしたか。

LTVが向上するのは、顧客が満足を超え、「感動」することで、始めて高まるものなので、「どのように顧客を感動させることができるのか。」を視点の軸におき、自社の商品やサービスを磨いていくことが、結果としてLTVを高めるための一番の近道なのではないでしょうか。

ROIとは!?

経営者や事業責任者であれば、広告に投資したけど、結局のところどれくらいの売上に還元されたのか。もっと言えば、どれだけ利益が上がったのか気になるところではないでしょうか。

広告に投資をして、どれだけ売上として回収できたかをみるための指標は「ROAS」ですが、売上が広告費を上回っていたとしても、商品やサービスには原価があるため、実は原価を加えると「赤字」ということも珍しくありません。

そこで、広告に投資をする際は「ROAS」だけではなく、「ROI」というどれだけ利益として貢献できたかをみるための指標を合わせてみる必要があります。

今回はその「ROI」について、ご紹介いたします。

関連記事:ROASとは!?使い方は!?

ROIとは


Return On Investment

ROIとは、Return On Investmentの頭文字をとった略語になります。

ROIの計算式

(売上総利益-投資コスト)/投資コスト×100(%)

ROIは「投資対効果」の意味で、投資したコストに対して、どれだけ「利益」を得ることが出来たのかを測る為の指標です。

売上総利益とは

売上総利益とは、別名「粗利」で、以下の計算式で表します。

売上総利益=売上−売上原価

ROIの計算事例

例えば、粗利益が30,000,000円。投資コストが3,000,000の場合、

(30,000,000-3,000,000)/3,000,000×100(%)=900(%)

ROIは900%になり、1円の広告費に対して、9円の利益が出ていることになります。

CPAとの違いは


WEBマーケティングでよく用いられる指標の一つのCPAですが、ROIとの違いはなんなのでしょうか。

CPAとは

CPAとはCost Per Acquisitionの頭文字をとった略語で、1顧客を獲得するために必要な広告費のことです。

CPAの計算式

コスト/獲得顧客数

全体の費用を獲得できた顧客数で割り、1顧客あたりの獲得コストを算出します。

CPAの計算例

例えば広告にかけたコストが10,000円、獲得顧客数が10人の場合、

10,000/10=1,000(円)

となり、1人の顧客を獲得するために必要なコストは、1,000円になります。

ROIは投資した広告費が利益にどのような貢献をしたかの「生産性」測る指標ですが、CPAは1人あたりの顧客を獲得するために必要は費用のため、広告予算の算出時や目標設定時に用います。

関連記事:CPAとは!?

まとめ


いかがでしたか。
ぜひ、自分の仕事の場でもROIを使って、会社への利益貢献をしてくださいね。

ROASとは?使い方は!?

日々忙しく生活していると、自分のお金の管理をついつい忘れてしまい、気付いたら「預金口座」にお金がなくなっているという方は多いのではないでしょうか。
少し前まで、自分もその1人でした。

5年程前から、前職で店舗経営に関るようになってから、お店の損益計算書や貸借対照表に触れる機会が増えて、もっと深めたいと思って行き着いた先は、「まずは自分自身のお金を管理すること。」でした。

自分の給与を売上と見立てて、仕事を向上させる為の本やスーツ、鞄等は売上原価に。それ以外を販売管理費で捉えて、毎月どの位の貯金(営業利益)が出来たのか。そういった視点を持つことで、店舗経営で大切なことを深めることができました。「自分が何にお金を投資しているのか。」という感じで、客観的に自分が観れるようになったのは大きな財産かもしれません。

今回紹介させていただくマーケティング指標の1つ「ROAS」は、「投資した広告コストの回収率」を表すもので、広告を運用するマーケティング担当者にとっては欠かせない指標で、広告を通して自社の売上やサービスを最大化する上で、投資した広告費が売上としてどれだけ回収できたのかを測る為のものです。

ただし、ビジネスモデルによって、顧客がその場限りではなく、何度もその商品やサービスを利用するものであれば、単にその瞬間の売上で観るのではなく、その人が生涯自社のサービスに使うであろう金額で観るという視点もあるため、どの切り口で観るのかによって、その先の広告における「打ち手の幅」は変わってきます。

今回は「ROAS」の使い方について、詳しくご紹介致します。

ROASとは

Return On Advertising Spend

ROASとは、Return On Advertising Spendの頭文字の略語で、広告経由で発生した売上を広告費用で割った数値のことであり、「広告の費用対効果」を表す指標です。
「投資した広告コストの回収率」をみることができます。

ROASの計算式

ROASの計算式は、

売上高/広告費用×100(%)

になります。

例えば、500万円の広告費を使って、1,000万円の売上高が上がったとすると、

10,000,000(円)/5,000,000(円)×100(%)=200(%)

になります。これは、広告費1円辺り、2円の売上高という意味になります。

数値が「100%」以上であれば、売上高が広告費を上回っており、「100%」未満であれば、売上高以上に広告費が高い状態で、「赤字の状態」を意味します。

ROASの使い方は

ROASは自社で開発しているプロダクトのマーケティング費用を管理する上では、「いくら投資して、いくら儲かったのか。」をみる上で、シンプルで分かりやすい指標です。

しかしながら、営業組織を持たずマーケティング中心で売上を上げている企業でも、自社の製品ではなく、通販で仕入原価が発生する場合や、商品を開発するために多くの人員を抱えるような組織形態を採っている企業の場合、単に売上との比較でROASをみると、うまくいっているように見えて、そうではないケースが出て来てしまいます。

そこで、自社のプロダクトや組織にあわせて、ROASの見方を変えることをおすすめ致します。

勘定科目を変えて「みる」という方法

売上総利益(粗利益)

通常のROASは、

売上高/広告費用×100(%)

で計算します。これは、商品を顧客に届ける上で、

・自社の商品である場合

・営業等の人件費が無い場合

にこの見方は有効ですが、商品がそもそも他社から仕入れた商品で、それぞれの商品に原価が発生している場合や、商品を開発する為に多くの人員を抱えて、人件費に投資している場合は、ROASが100%以上にも関らず、実は売上総利益や営業利益でみると「赤字」で、事業判断を間違えるケースがあります。

そこで、他社商品を仕入れて売るような事業形態の場合は、ROASの売上部分を売上総利益(粗利益)に転換させてみることで、投資した広告が売上総利益(粗利益)として回収できたか否か、測る事ができます。

計算式は以下になります。

売上総利益(粗利益)/広告費用×100(%)

営業粗利

ここで言う「営業粗利」とは、商品原価の中に人件費を含む「売上総利益」のことを示しています。

上記で触れた商品を開発するために多くの人員を抱えるような組織形態を採っている企業の場合、売上は投下した広告費を大きく上回っていたとしても、その商品やサービスに関る部門全体でみると、「赤字」になってしまうケースがあります。

そこで、このような場合は、「営業粗利」ベースでみるとことで、

投資した広告が営業粗利として回収できたか否か、測る事ができます。

計算式は以下になります。

営業粗利/広告費用×100(%)

ROIでみる

ROASは投資した広告費に対して、どれだけ売上として回収できたのかをみる指標ですが、ROIは「投資対効果」の意味で、Return On Investmentの頭文字を取った略語で、投資したコストに対して、どれだけ「利益」を得ることが出来たのかを測る為の指標です。

計算式は以下になります。

(売上総利益-投資コスト)/投資コスト×100(%)

例えば、粗利益が10,000,000円。投資コストが3,000,000の場合、

(10,000,000-3,000,000)/3,000,000×100(%)=233.3(%)

となり、1円に対して、2.3円の利益が出ていることを意味します。

ROASとあわせてROIをみることで、売上ベースでも、利益ベースでも広告効果を測ることができます。

関連記事:ROIとは!?

LTVでみるという方法

LTVとは

LTVとは、「顧客生涯価値」を意味するマーケティング用語の1つで、Life Time Valueの頭文字をとった略語でになります。

これは、1人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす価値(利益)をみる為の指標です。

計算式は以下になります。

LTV = (平均購買単価)x(購買頻度)x(継続購買期間)

例えば、平均購買単価が5000円、購買頻度が20回、期間は1年の場合、

 5,000×20×1=100,000(円)

となります。

ROASだけでみると、その瞬間は赤字かもしれませんが、ROASの売上部分をLTVにしてみることで、1人辺りの顧客の生涯価値でみると、黒字であるケースは多々あり、ここをしっかりみることで、継続することで、数字が積み上がっていく構造に築くことがあります。

その為、ROAS、ROIとあわせて、LTVもみることをおすすめ致します。

関連記事:LTVとは!?

まとめ

いかがでしたか。ROASは投資した広告費を売上としてどれだけ回収できているかをみる指標ですが、数字の見方を間違えると、実は赤字に陥ってしまっていたり、赤字だと判断して広告を止めたけど、実はLTVでみると数字が積み上がっており、将来得られる収益を損ねてしまっているケースがあります。

数字はどの視点からみるのかによって、判断が変わり、判断が変わるということは、その先の打ち手が変わるので、数字を分析する際は、広い視点で分析することをおすすめ致します。

KPIとKGIの違いは!?どのように使えばいいの?

仕事の場である「職場」で良く耳にする「KPI」と「KGI」ですが、時にこの言葉は混同しやすく、正しく意味を使っていない現場も少なくないのではないでしょうか。

そもそも「KPI」や「KPI」は何なのでしょうか。また、どのように使うと良いのでしょうか。

「KPI」や「KGI」を正しく使い、業績を向上させる為にも、まずはこの辺りの用語はきっちり抑えておきたいところ。

今回の記事では、「KPI」や「KGI」の意味は勿論のこと、実際の使い方やPDCAの回し方について、ご紹介致します。

KPIとは


KPIとは、「Key Performance Indicator」の頭文字をとった略語になります。日本語では、「重要業績指標」になります。

KPIとは「重要業績評価指標」

「重要業績指標」って!?と思う方も多いと思いますが、言葉を置き換えると、設定した目標や目的を達成する為のプロセスを計測するためのいわば中間目標を示しています。

インジケーターは「計器」「指標」の意味合いで、目標達成の鍵(キー)となるパフォーマンスを計測するので、Key Performance Indicatorと表現されます。

例えば、アウトバンドにおける求人広告の営業の場合、求人を検討している企業の人事担当者や経営者が営業先になります。
KPIを設定する上で必要になるのは、目標とその目標を達成する上でのプロセス分解です。

■目標

 ・目標の売上高(粗利益)
 ・1契約辺りの売上高(粗利益)

といったKPIを立てる上で必要な目標値。

■プロセス分解

営業マンが求人広告を受注するためには、

・対象顧客のリストアップ
・テレマーケティングorメールアプローチによるアポイント取得
・訪問によるヒアリング
・ヒアリングに基づいた提案
・見積書・申込書作成 受注
・アフターフォロー

という具合に目標値を決めた上で、どのようなプロセスを踏んでいくのか。分解します。

上記がスタンダードな営業の流れだとすると、定めるKPIは以下が最適といえるでしょう。

  【KPI】
 ・アポ率(アポ取得数/コール数)
 ・訪問対成約率(成約数/訪問数)

KPIではビジネスプロセスの「質」を測る

先ほどの営業を例に出すと、ビジネスプロセスの「質」とは、営業の場合は営業力になります。
営業力をさらに分解すると…
アポ率からはテレアポスキルの質を。
訪問対成約率では、提案力やヒアリング力を。
自社で定めている基準や平均値と比較することで、質が良いのか。悪いのか。営業マンがしっかりと成果を出せているのか、否かを測る事ができます。

例えば、営業におけるKPIの標準値を以下で設定します。

アポ率:2%(50コールに1件アポ取得)
 訪問対成約率:10%(10件に1件成約)

さらに目標を以下で設定します。

 目標粗利益:1,000,000円
 1件辺りの粗利益単価:200,000円

こちらの目標を達成する為に必要な受注件数は5件(=1,000,000/200,000)になります。5件受注する為に必要なプロセス目標は、上記で設定しているKPIから算出すると….

 受注数:5件
 ↓(=5/0.1)
 訪問数:50件
 ↓(=50/0.02)
 コール数:2,500件

こちらになります。

KPIがあることで、営業マンに対して、適正な目標を設定することができます。

KGIとは


KGIとは、「Key Goal Indicator」の頭文字をとった略語で、日本語では、「重要目標達成指標」になります。

KGIとは「重要目標達成指標」

「Goal」という言葉の通り、立てた最終的な目標が達成できたかどうかを測る指標で、KPIの項目でご紹介させていただいた営業で言えば、「目標の売上高(粗利益)」になります。
KPI同様に具体的な数値(定量的)にして設定しなくては、意味をなさないのは言う迄もありません。

KGIではビジネスプロセスの「結果」を測る

KGIは最終的な結果を測る為の指標であり、結果に到達するためのプロセスに関しては、KGIではなく、KPIになります。

KPIとKGIの違いとは


KPIとは、上記でご紹介させていただいた営業の例でいくと、目標に到達するまでのプロセス目標がKPIに該当します。

 受注数:5件
 ↓(=5/0.1)
 訪問数:50件
 ↓(=50/0.02)
 コール数:2,500件

KGIに関しては、最終目標(=結果)の為、営業の例でいくと、粗利益1,000,000円になります。

KPI/KGIとPDCAの関係性とは

これまで、KPIは設定した目標を達成するためのプロセス管理に用いるものであり、KGIは具体的な結果を測る指標であることをご紹介してきました。
ビジネスは設定した目標をいかに達成させるかが組織マネジメントにおいて重要であり、さらに目標を達成させる上で、設定したKPIを1つづつ達成して、積み上げていくことが重要になります。

プロセスを積み上げていく上では、実際に行った施策に対する結果をみて、なぜ良かったのか。悪かったのか。この原因の事実をつかみ、それを次の施策に活かしていくことが大切になります。(PDCA)

いかにこのPDCAの速度を上げて、より多くの失敗と成功を積み上げられるかによって、企業や個人の成長スピードは大きく変わっていくのではないでしょうか。


PDCAとは

PDCAに関しては、以下のwikipediaの引用をご参照ください。

PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4 段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。

第二次世界大戦後、品質管理を構築したウォルター・シューハート、エドワーズ・デミングらが提唱した。したがって、シューハート・サイクル (Shewhart Cycle) またはデミング・ホイール (Deming Wheel) とも呼ばれる。
PDCAサイクルという名称は、サイクルを構成する次の4段階の頭文字をつなげたものである。
Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
Do(実行):計画に沿って業務を行う。
Check(評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを評価する。
Act(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。
この4段階を順次行って1周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように1周ごとに各段階のレベルを向上(スパイラルアップ、spiral up)させて、継続的に業務を改善する。
後にデミングは、入念な評価を行う必要性を強調してCheckをStudyに置き換え、PDSAサイクルと称した。PDCAに対する概念として、経営のサイクルであるOODAループが提唱されている。

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB

KPI/KGIから顧客心理を読み取る

KGIで定めた目標に対する結果に至った要因を分析するには、定めたKPIの達成度合いを計り、なぜその結果(プロセス結果含む)になったのか。事実を追求し、事実をもとに仮説を立てて、施策に充てていくことが大切です。

ただし、これだけでは足りません。仮説を立てる際に、なぜの数値結果になったのか。統計的な数字だけではなく、変化する顧客の心を掴む必要があります。

顧客の心を掴むには、直接顧客にインタビューして、顧客の心理を理解するか、直接的に顧客接点を持てない場合は、アンケートや調査会社の協力を経て、間接的にその心を掴むことが重要です。

目標を達成させるには、単にKGIやKPIを立てることが大切なのではなく、そこから何を読み取り、その後どう行動するかが大切なのは言う迄もありません。

オススメの書籍


ここでは、KPIやKGIについてより深める為の書籍をご紹介します。

図解&事例で学ぶ問題解決の教科書

図解&事例で学ぶ問題解決の教科書

ゼロベース思考、仮説思考、なぜなぜ5回、3ステップで「仮説」を立てよう。3C、6W2H、3×3思考、インタビューシートで「情報」を集めよう。4W、ABC分析、回帰分析、判別分析・主成分分析・シナリオ分析で「分析」しよう。KGI、KPIを定め、達成度の数値化、目標設定を行い「実行」しよう。方針管理と日常管理、5つのプロセス、PDCAで「定着」させよう。ビジネスは問題解決の連続。仮説の設定から情報収集・分析、具体的な実行方法まで、最良の結果を出す方法。

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問題解決力はビジネスのあらゆる場面で必要な力です。
問題解決力によって仕事のリスクを減らし、新しい仕事を生み出せます。
仮説の設定から情報収集・分析、具体的な実行方法まで、最良の結果を出す方法を手に入れましょう。
豊富な図解と事例による解説を参考に、問題解決力アップで成果を出そう!
目次
第1章 問題解決とは?
第2章 まずは仮説を立てる
第3章 情報を集める
第4章 分析する
第5章 問題を突き止める
第6章 問題の解決方法を探る
第7章 問題解決方法を実行する
第8章 問題解決方法を定着させる

引用:http://7net.omni7.jp/detail/1106705189

鈴木敏文の「統計心理学」 「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む

鈴木敏文の「統計心理学」 「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む
さまざまなデータの「本当のようなウソ」を見抜く独自の「統計学」とは? 情報の先にある「顧客の心理」をいかに見抜くか? 仮説と検証の繰り返しで、「正しい解答」を見つけ出していく鈴木流情報分析術を全公開。
目次
文庫版まえがき
はじめに
第1章 鈴木敏文はどのように意思決定しているのか
1 「客観」と「直観」、2つのカンで発想する
2 鈴木敏文を見ている「もう1人の鈴木敏文」
3 発想の根本にある「5つの視点」
4 天才経営者と凡人ビジネスマンはどこが違うのか
第2章 商売は「経済学」ではなく「心理学」で考えろ
5 顧客は「経済人」でなく「心で動く人間」である
6 顧客の心理を読む「琴線と金銭」の商い
7 鈴木敏文は顧客の心理をこう読む
第3章 半歩先を読む鈴木流「統計術」の極意を学ぶ
8 鈴木流経営学の原点は“隠れた大学院時代”にあった
9 なぜ、「現場主義」ではなく「データ主義」なのか
10 データや情報を読み解く「5つの極意」
第4章 鈴木流「場のつくり方」を学ぶ
11 徹底してダイレクト・コミュニケーションにこだわる
12 繰り返し伝えることにより基本を「血肉化」させる
13 共有化のための「場」を大切にする
第5章 現場の社員たちはどのように鈴木流経営学を実践しているか
14 社員のコミュニケーション能力を重視する
15 仮説・検証を店舗経営に活かす
16 自分の仕事で「物語」をつくれるかどうか
17 顧客の共感を呼ぶ「場」づくりにこそセブン―イレブンの強さがある
おわりに
鈴木敏文氏の金言集
参考文献

引用:http://7net.omni7.jp/detail/1102263630

まとめ


いかがでしたか。
KPIやKGIを定めた上で、いかにPDCAを回し、顧客の心を掴めるか。これが事業拡大の肝と言っても過言ではありません。
是非、自分の職場で試してみていただければ幸いです。

また、順次職種や業種におけるKPIやKGIの事例に関しては、こちらの記事で追記していきたいと思います。