LTVとは!?

LTVとは!?日頃のビジネスの会話の中でもよく出てくるこの言葉で、特にマーケティングに関わる人であれば一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

LTVを知ることで、視点が広がり、マーケティングの幅が広がることはもちろんのですが、LTVを高めることで、事業の生産性を上げることができるため、マーケティングにおける重要な指標の一つになっています。

今回の記事では、LTVの意味は勿論のこと。計算式や具体例。さらにはLTVを高めるためにできることを考察していきたいと思います。

LTVとは


Life Time Value「顧客生涯価値」

LTVとは、Life Time Valueの頭文字をとった略語で、「顧客生涯価値」を意味するマーケティング指標の一つになります。
1人の顧客が自社の商品・サービスにどれくらい貢献しているのかを測ることができます。
LTVを見ることによって、「より顧客が自社の商品やサービスのファンになり、消費量を増やしてもらうにはどうしたらいいのか。」を考える上で、とても大切な指標です。

LTVの計算式

LTVの計算式は、以下になります。

LTV = 平均購買単価×購買頻度×継続購買期間

LTVの計算例

例えば、求人の広告掲載で、平均購買単価が200,000円、購買頻度が5回、購買期間が12ヶ月(1年)の場合

200,000×5×1=1,000,000(円)

となり、1顧客から得られる1年間の売上高は1,000,000円となります。

顧客別にLTVを算出してみる

LTVをみる場合、全体の平均値だけに目が行きがちですが、平均値だけではなく、顧客別にLTVを算出することで、

・どの企業が自社の商品・サービスに貢献しているのか。

・どの企業が自社の商品・サービスに貢献していないのか。

が見えてきます。

そこから、

・どの企業郡が自社の商品・サービスに貢献しているのか。

・どの企業郡が自社の商品・サービスに貢献していないのか。

という具合に貢献企業・非貢献企業のグルーピングお行い、

なぜ貢献(非貢献)しているのか。

考えていきましょう。

思いつく限りの仮説で議論するもよし、貢献顧客・非貢献顧客にアンケートを行い、ファクトを積み上げていくことも大切です。

そうすることで、LTVを高めるためのスタートラインに立つことができます。是非一度自社の商品・サービスで分析してみてはいかがでしょうか。

LTVを高めるためには


LTVを高めるためには、以下の4つが重要なポイントになります。

 ・平均購入単価を上げる
 ・平均購買点数を増やす
 ・購入頻度を上げる
 ・継続期間を伸ばす

以下では、具体的に一つ一つのポイントについてご紹介致しますが、全てにおいて大切なのは、各々の項目を向上させるためには、「どのようなファクトを拾い上げ、仮説につなげ、策(打ち手)を講じるか」になります。

平均購入単価を上げる

平均購入単価は、顧客が自社の商品・サービスを購入する際の平均単価を意味しますが、この平均単価を上げることで、計算式から考えると、LTVは確実に高くなります。

平均購買点数を増やす

平均購買点数とは、顧客が一度に買う商品やサービスの数を意味していますが、平均購入単価を上げる上では、一度に購買いただく商品やサービスの数を増やすことが方法の1つになります。
特に、小売店や通販等のビジネスにおいては、有効的な視点と言えるでしょう。

購入頻度を上げる

購入頻度とは、ある期間の中で、自社の商品・サービスを購入していただける回数を増やすことを意味します。
またその商品を買いたくなる仕掛けやきっかけをどのように作ればいいのか。ここを考えること重要です。

継続期間を伸ばす

継続期間とは、その商品・サービスをどの位の期間使い続けるかという意味合いと、使い終わった後も継続的に購買につなげて、トータルでの利用期間を意味します。

LTVを高める為には、CRMの構築がカギ


CRMとは

CRMとは、Customer Relationship Managementの頭文字をとった略語で、顧客関係管理の意味です。以下、Wikipediaを引用して、ご紹介致します。

顧客関係管理(こきゃくかんけいかんり、Customer Relationship Management(CRM))とは、顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法である。顧客情報管理、顧客関係構築、単に顧客管理と訳される場合もある。

概要

大量生産・大量消費を前提としたマスマーケティングの時代から、消費者個別のニーズに合わせた One to Oneマーケティングの時代へという市場環境の変化により、特に製品単体での差別化が難しい業界(金融やリテール)で注目を集めていた経営コンセプトである。顧客あるいは見込み客が体験する企業との人的・非人的対話をより良いものとすることで、顧客の獲得や維持の向上を目指すものである。

CRMという概念は、比較的最近のコンセプトに思われがちであるが、近所の個人商店で顔見知りの顧客に提供するようなハイタッチの関係を大規模に再現することを目指すものであり、日本でも江戸時代から大福帳などで見られるように実践されていた。単に売上高のみを管理するだけではなく、個人にフォーカスした経営が重要であることは、感覚的に理解しやすい。新規顧客獲得に対して、既存顧客からの継続・追加と離脱によるロスの防止の方が、はるかに収益性が高いとされることが、基礎となっている。

CRMの実践には、財務や税務処理といった観点の管理(伝票処理システムなど)とは別に、「顧客」を「個客」としてその行動をミクロに捉える視点と管理のテクノロジー、顧客指向の組織横断的なプロセス、そして顧客指向で行動する人が必要である。

CRMのタイプ/領域

実行系 (Operational) CRM

顧客接点とフロントオフィスのプロセスを改善することで、顧客の体験とパフォーマンスを向上することを目指すタイプのCRM。

Sales Force Automation (SFA) –
商談/案件の状態を把握し、営業方法論(メソドロジー)に基づいたプロセスを通して成果の向上を目指す。売り上げ予測(フォーキャスト)、評価と連動されることも一般的である。
Service Automation –
コールセンター、FAQ/ナレッジベースなどにより、カスタマーサービスの品質と生産性を向上することを目指す。音声、Eメール、チャットなどのチャネルと、これにともなる応対の履歴を統合することも一般的である。

Marketing Automation –
B2Cではセグメンテーション等に基づく多数のキャンペーン実行や、顧客行動に基づく自動オファリングなどによる成果拡大を目指す。B2Bではリードナーチャリング等による営業初期段階の支援を目指す。

分析系 (Analytical) CRM

データマイニング、テキストマイニング、映像分析などの手法により、顧客の行動や収益性、対応プロセスなどを分析し、改善や自動化に活用して成果を得ることを目指す。分析に必要なデータを集積するデータウェアハウスや可視化も欠かせない要素である。

行動分析 –
古典的には購入履歴、後に問い合わせ履歴、Webアクセス、最近では店頭での行動から顧客の嗜好や期待を理解する。

収益性分析 –
例えば電話による問い合わせ有無など、顧客の購買やサービス利用の行動はその収益性に影響する。ABCと合わせて、顧客の価値を金銭的に把握することができる。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A1%A7%E5%AE%A2%E9%96%A2%E4%BF%82%E7%AE%A1%E7%90%86

顧客の行動を可視化し、パーソナライズされた顧客に「必要な時に、必要な情報を、あらゆるチャネルを使って届ける」ための仕組みを構築することが、顧客満足度を高めて、結果としてLTVを高めることができるのではないでしょうか。

CRMに関しては、セールスフォース、サービスオートメーション、マーケティングオートメーション等様々なツールがあるため、また別の記事で紹介させていただければ幸いです。

まとめ


いかがでしたか。

LTVが向上するのは、顧客が満足を超え、「感動」することで、始めて高まるものなので、「どのように顧客を感動させることができるのか。」を視点の軸におき、自社の商品やサービスを磨いていくことが、結果としてLTVを高めるための一番の近道なのではないでしょうか。

ROASとは?使い方は!?

日々忙しく生活していると、自分のお金の管理をついつい忘れてしまい、気付いたら「預金口座」にお金がなくなっているという方は多いのではないでしょうか。
少し前まで、自分もその1人でした。

5年程前から、前職で店舗経営に関るようになってから、お店の損益計算書や貸借対照表に触れる機会が増えて、もっと深めたいと思って行き着いた先は、「まずは自分自身のお金を管理すること。」でした。

自分の給与を売上と見立てて、仕事を向上させる為の本やスーツ、鞄等は売上原価に。それ以外を販売管理費で捉えて、毎月どの位の貯金(営業利益)が出来たのか。そういった視点を持つことで、店舗経営で大切なことを深めることができました。「自分が何にお金を投資しているのか。」という感じで、客観的に自分が観れるようになったのは大きな財産かもしれません。

今回紹介させていただくマーケティング指標の1つ「ROAS」は、「投資した広告コストの回収率」を表すもので、広告を運用するマーケティング担当者にとっては欠かせない指標で、広告を通して自社の売上やサービスを最大化する上で、投資した広告費が売上としてどれだけ回収できたのかを測る為のものです。

ただし、ビジネスモデルによって、顧客がその場限りではなく、何度もその商品やサービスを利用するものであれば、単にその瞬間の売上で観るのではなく、その人が生涯自社のサービスに使うであろう金額で観るという視点もあるため、どの切り口で観るのかによって、その先の広告における「打ち手の幅」は変わってきます。

今回は「ROAS」の使い方について、詳しくご紹介致します。

ROASとは

Return On Advertising Spend

ROASとは、Return On Advertising Spendの頭文字の略語で、広告経由で発生した売上を広告費用で割った数値のことであり、「広告の費用対効果」を表す指標です。
「投資した広告コストの回収率」をみることができます。

ROASの計算式

ROASの計算式は、

売上高/広告費用×100(%)

になります。

例えば、500万円の広告費を使って、1,000万円の売上高が上がったとすると、

10,000,000(円)/5,000,000(円)×100(%)=200(%)

になります。これは、広告費1円辺り、2円の売上高という意味になります。

数値が「100%」以上であれば、売上高が広告費を上回っており、「100%」未満であれば、売上高以上に広告費が高い状態で、「赤字の状態」を意味します。

ROASの使い方は

ROASは自社で開発しているプロダクトのマーケティング費用を管理する上では、「いくら投資して、いくら儲かったのか。」をみる上で、シンプルで分かりやすい指標です。

しかしながら、営業組織を持たずマーケティング中心で売上を上げている企業でも、自社の製品ではなく、通販で仕入原価が発生する場合や、商品を開発するために多くの人員を抱えるような組織形態を採っている企業の場合、単に売上との比較でROASをみると、うまくいっているように見えて、そうではないケースが出て来てしまいます。

そこで、自社のプロダクトや組織にあわせて、ROASの見方を変えることをおすすめ致します。

勘定科目を変えて「みる」という方法

売上総利益(粗利益)

通常のROASは、

売上高/広告費用×100(%)

で計算します。これは、商品を顧客に届ける上で、

・自社の商品である場合

・営業等の人件費が無い場合

にこの見方は有効ですが、商品がそもそも他社から仕入れた商品で、それぞれの商品に原価が発生している場合や、商品を開発する為に多くの人員を抱えて、人件費に投資している場合は、ROASが100%以上にも関らず、実は売上総利益や営業利益でみると「赤字」で、事業判断を間違えるケースがあります。

そこで、他社商品を仕入れて売るような事業形態の場合は、ROASの売上部分を売上総利益(粗利益)に転換させてみることで、投資した広告が売上総利益(粗利益)として回収できたか否か、測る事ができます。

計算式は以下になります。

売上総利益(粗利益)/広告費用×100(%)

営業粗利

ここで言う「営業粗利」とは、商品原価の中に人件費を含む「売上総利益」のことを示しています。

上記で触れた商品を開発するために多くの人員を抱えるような組織形態を採っている企業の場合、売上は投下した広告費を大きく上回っていたとしても、その商品やサービスに関る部門全体でみると、「赤字」になってしまうケースがあります。

そこで、このような場合は、「営業粗利」ベースでみるとことで、

投資した広告が営業粗利として回収できたか否か、測る事ができます。

計算式は以下になります。

営業粗利/広告費用×100(%)

ROIでみる

ROASは投資した広告費に対して、どれだけ売上として回収できたのかをみる指標ですが、ROIは「投資対効果」の意味で、Return On Investmentの頭文字を取った略語で、投資したコストに対して、どれだけ「利益」を得ることが出来たのかを測る為の指標です。

計算式は以下になります。

(売上総利益-投資コスト)/投資コスト×100(%)

例えば、粗利益が10,000,000円。投資コストが3,000,000の場合、

(10,000,000-3,000,000)/3,000,000×100(%)=233.3(%)

となり、1円に対して、2.3円の利益が出ていることを意味します。

ROASとあわせてROIをみることで、売上ベースでも、利益ベースでも広告効果を測ることができます。

関連記事:ROIとは!?

LTVでみるという方法

LTVとは

LTVとは、「顧客生涯価値」を意味するマーケティング用語の1つで、Life Time Valueの頭文字をとった略語でになります。

これは、1人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす価値(利益)をみる為の指標です。

計算式は以下になります。

LTV = (平均購買単価)x(購買頻度)x(継続購買期間)

例えば、平均購買単価が5000円、購買頻度が20回、期間は1年の場合、

 5,000×20×1=100,000(円)

となります。

ROASだけでみると、その瞬間は赤字かもしれませんが、ROASの売上部分をLTVにしてみることで、1人辺りの顧客の生涯価値でみると、黒字であるケースは多々あり、ここをしっかりみることで、継続することで、数字が積み上がっていく構造に築くことがあります。

その為、ROAS、ROIとあわせて、LTVもみることをおすすめ致します。

関連記事:LTVとは!?

まとめ

いかがでしたか。ROASは投資した広告費を売上としてどれだけ回収できているかをみる指標ですが、数字の見方を間違えると、実は赤字に陥ってしまっていたり、赤字だと判断して広告を止めたけど、実はLTVでみると数字が積み上がっており、将来得られる収益を損ねてしまっているケースがあります。

数字はどの視点からみるのかによって、判断が変わり、判断が変わるということは、その先の打ち手が変わるので、数字を分析する際は、広い視点で分析することをおすすめ致します。