扱う商材やターゲットとなる顧客によって、最適な営業手法が異なります。テレアポや展示会のようなオフラインがよいのか、リスティング広告やSNSなどのようなオンラインがよいのか悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
またその2つを併用する方法もあります。
本記事では、企業にとって適した営業方法とはどんなものか、どんな営業手法があるのかなどをご紹介します。
目次
営業手法とは
営業手法とは、「見込み顧客にどのような営業活動を行うか」のことを指します。
営業手法は大きく以下の2つに分けられるとされています。
アウトバウンドセールス
アウトバウンドセールスは能動的な営業活動のことを指します。
テレアポや飛び込み営業、問い合わせフォームへの入力など、主に新規開拓を行う営業活動です。
顧客と直接会話としたり、顔を合わせたりするため、自社製品をアピールしやすいでしょう。
インバウンドセールス
自社製品・サービスへの潜在ニーズを引き出す営業活動です。顧客への情報提供を中心に行い、顧客が自ら情報を取得できるようにします。
近年ではインターネットの台頭により、顧客が簡単に情報を手に入れられるようになりました。このため、営業活動はインバウンドセールスが主体となることが多いです。
また、アウトバウンドセールスよりもアプローチできる数は多いのですが、人手は少なくて済みます。そのため、人手不足の会社にも適している方法です。
オフライン営業とオンライン営業について
営業手法は、オフライン営業とオンライン営業に分けられます。
ここではそれぞれの営業手法についてご紹介します。
オフライン営業手法
オフラインの営業手法とは、インターネットを活用せずに行う営業手法を指します。
オンライン営業手法に比べてアプローチできる数は限られますが、確実に顧客へ情報を届けられます。
オフライン営業手法には、以下のようなものがあります。
テレアポ
電話を使った営業手法です。個人や企業に対して電話で営業活動を行います。
経験が浅いと話を聞いてもらうことが難しい手法です。しかしある程度経験があり、話を聞いてもらえれば、自社製品を直接アプローチできます。
DM
対象となる顧客に対して、郵送やFAXなどでダイレクトメールを送る営業手法です。商品カタログなどを送ることで、商材を効果的にアピールできます。
またしっかり読んでもらうために、クーポンや割引券などを添付する方法もあります。
展示会
特定の業種や業界などに絞って行われる展示会で行う営業手法です。来場者は、その分野に興味を持っている人物のため、営業がしやすいでしょう。
その場で取引とならなくても、名刺をもらうことで後から営業を行うことも可能です。
ある程度のコストがかかりますが、一度にたくさんの見込み顧客に対してアピールができ、多くの名刺を獲得できます。
オンライン営業手法
オンライン営業手法とは、インターネットを活用した営業手法です。非対面型の営業であり、不特定数の人にアプローチするのに向いています。
オンラインの営業手法には、以下のようなものがあります。
リスティング広告
ユーザーがインターネットで特定のキーワードを検索した際に、検索結果の上位に表示される広告です。「検索」という行為は、ユーザーがキーワードに関するものを能動的に求めているということです。
そのため、その結果の上位に表示できれば、ニーズが顕在化している顧客にアプローチできます。
リスティング広告の誘導先は自社サイトや専用サイトが一般的です。「お問い合わせ」のみだと心理的ハードルが高いので、「無料資料請求」や「無料トライアル」などの出口を用意しておくことをおすすめします。
動画広告
動画広告とは、動画配信サービスなどの動画を視聴する前や途中などに流れる広告などのことを指します。また、従来のバナー広告枠に表示させる動画広告もあります。
動画なら文字よりも多くの情報量を伝えられるので、広告に向いています。しかし、広告を表示させる位置やタイミングによっては、逆にユーザーマイナスイメージを持たれかねません。
これは動画が文字などと比べて情報量が多い一方で、「うるさい」「邪魔」と感じやすいためです。
このため、動画広告を行う際は慎重に吟味しましょう。
SNS
SNS上のアカウントで情報を発信する方法です。自社サイトなどと違い、ユーザーと双方向のコミュニケーションが取りやすいのが特徴です。
不特定多数に対して情報発信が可能なため、潜在的顧客にもアプローチできるでしょう。商材を広く認知してもらえる可能性があるので、新規開拓にも向いています。
SEO対策
自社サイトを検索エンジンの上位に表示させることで、流入するユーザーを増やす方法です。上位に表示させられれば、それだけ多くのユーザーの目に留まります。訪問者を増やすことで、資料請求や会員登録、メルマガ登録などを目的としています。
効果が出るまでにある程度の時間がかかるため、他の施策と同時に行うのがおすすめです。中長期的な顧客獲得に向いているとされます。
ウェビナー
ウェビナーとはウェブセミナーの略称です。オンラインセミナーと呼ばれることもあります。
近年では、ウェビナーを開催する企業が増えています。その理由の一つとして、参加者がどこにいても気軽に参加できるためです。このため、これまでアプローチできなかった層にも、自社の情報を届けることが可能になりました。
さらにタブレットやスマホからでも参加可能なものもあり、だれでも手軽に視聴できる状態にあります。開催側はその環境を利用することで、さらなるビジネスチャンスを広げようとしているのです。
直接顔を合わせられなくても、ライブチャットやアンケート機能などを利用すれば、顧客の生の声を集めることができます。
今はオンライン営業が主流
近年では、オンラインでの営業手法が主流となってきています。だれでも簡単にインターネットで情報が得られる時代のため、ユーザーはまずインターネットで検索をします。
ユーザー自身が情報の獲得や比較に熱心なため、企業はそれに合わせてオンラインでの営業を強化していくことが求められるでしょう。
SaaS(サース)を活用する企業が増えている
SaaSは、「Software as a Service」の略称で、クラウドで提供されるサービスのことを指します。これまではパッケージソフトとして販売されていたものが、クラウドで手軽に使えるようになりました。現在では、クラウドサービスといえばSaaSのことを指すことが多いです。
パッケージソフトウェアの場合、これまでは個別のパソコンにそれぞれインストールする必要がありました。またマシン環境が揃っていないと、不具合が起こる可能性もあります。
SaaSはブラウザ経由で使用できるため、マシン環境に依存せず、インストール不要ですぐに使えるのが特徴です。このため導入コストを下げることが可能です。
さらにSaaSは、ほとんどがサブスクリプション型の料金体系です。使った分だけ料金を支払えばよく、余分なコストが発生しません。さらに使ってみて自社に合わないとなれば、利用をやめることも容易です。
このように多くのメリットがあることから、SaaSを利用する企業は今後も増えることが予想されています。
商談にも変化がある
これまで主に対面で行われていた商談も変化が生じています。商品説明やセミナーなどを行う段階では、オンラインでの商談が積極的に行われています。
Web会議システムなどのツールを使えば、移動の時間もいらず、すぐに商談を始められます。移動コストも不要になるため、企業にとってもメリットが多い方法です。
最適な営業手法を見つけるには?
営業手法にはさまざまな方法がありますが、最適な手法は商材や企業ごとに異なります。そのため、自社に合った最適な営業手法を見つけることが大切です。
近年ではオンライン営業手法が主流となっており、オンラインに移行する企業も増えています。時流に合わせて対応しやすく、改善策も豊富にあるので、ユーザーを一番に考えたコンテンツを提供しやすいためです。
ただし、今までのオフラインの営業手法をまったくやめる必要はないでしょう。対面による商談は特にBtoB企業にとっては重要な手法の一つです。セミナーや展示会などは、今後も一定の効果を発揮できると考えられます。
予算やターゲットなどを明確にしよう
自社に最適な営業手法を見つけるには、予算やターゲット、獲得目標を整理することが重要です。
どの営業手法もそれなりのコストがかかります。営業活動にどれだけの予算を割けるかにより、選択肢が変わってきます。
またターゲット設定も重要です。自社の製品・サービスを求めているのが、どんなターゲット像なのかを明確にすることにより、営業手法が決定しやすくなります。
さらに営業リソースによって決定する方法もあります。ある程度規模が大きい企業であれば、オフライン営業、オンライン営業と分業することも可能でしょう。しかし、中小企業でそれを行うのはかなり難しいといえます。
無理に新しいものを取り入れるよりは、トークスクリプトや営業プロセスを整理し、営業体制を整えていく方が成果が出る場合もあります。
自社の体制や予算、ターゲットなどをもう一度洗い出し、最適な手法を見つけましょう。
各営業手法で活用できるサービス
どの営業手法においても、業務を効率化できるサービスを積極的に利用することをおすすめします。サービスがあれば社員の負担が軽減できるほか、効率的な営業活動が期待できます。
ここでは、営業手法において活用できるサービスについてご紹介します。
APOLLO SALES
APOLLO SALESは、簡単に営業リストを作成できるサービスです。営業したい企業の条件を指定すれば、インターネット上から企業情報を収集し、リスト化してくれます。自動で収集を行うので、情報収集の時間を削減できます。データベースは日々アップデートされるため、最新の情報をもとにしたリストが作成されます。また既存の営業リストもインポート可能です。
さらに、営業リストに自動でアプローチしてくれるのも特徴です。リストの企業に自動メール送信やお問い合わせフォームへ投稿することで、アプローチします。手間をかけずにアポを取得できます。
またアプローチ結果はスコア化することも可能なので、テレアポの効果を向上させられます。
コムレイズインキュベート
コムレイズインキュベートは、BtoBビジネスの新規事業専門テレアポ代行サービスです。
営業マネージャーや新規事業の営業支援経験のあるスタッフが揃っており、コール戦略を立案してくれます。
商材に沿ったアピールポイントを設計し、独自の改善スキームを使ったアポ率の高いトークスクリプトを構築してくれるのが特徴です。
コムレイズインキュベートは約1,000万件の独自のデータベースを持っているのも特徴です。その中から、地域、業種、従業員規模などで絞り込み行い、ターゲットリストを作成可能で、既存の営業リストに架電してもらうこともできます。
さらにテレアポだけでなく、DMやFAX、オンラインマーケティングなどの中から、最適なソリューションを行ってくれるサービスです。
「新規開拓のノウハウが不足している」「テレアポのプロセスが可視化できていないため、どこに問題があるか分からない」と悩んでいる企業に向いているといえます。
https://service.comrades-incubate.com/ja/tel-marketing
ネクプロ
ネクプロはウェビナー(ウェブセミナー)用のサービスです。セミナーやイベントなどをインターネット上でライブ配信できます。どこからでも参加が可能なので、見込み顧客のリートを広げられます。
パソコンだけでなく、スマホやタブレットからでも参加可能です。さらに開催中にライブチャットやアンケート機能を使えば、リアルタイムの顧客の声を集められます。
大きな会場を借りる必要がなく、手配、設営、受付などの手間を削減可能です。交通費や資料の印刷費などのコストもかかりません。
申込者の受講状況を把握・分析できるので、今後の開催に役立ちます。また課金制度もあるため、有料セミナーを開催することも可能です。
新たな顧客との接点の構築、日本だけでなく世界中に製品・サービスを発信したいなど、さまざまな場面で活躍が期待できるでしょう。
https://nex-pro.com/webseminar/
まとめ
現代では、インターネットを使えばだれでも簡単に情報を得られる時代になりました。そのため顧客は、能動的に商品の情報を得たり、比較したりすることが可能です。
それに合わせて営業手法も、オフラインからオンラインが主流になりつつあります。オンラインではオフラインよりも省力化しつつ、より多くの顧客にアプローチをかけることができます。オフラインと並行して行うことで、さらなる効果が期待できるでしょう。
営業活動を効率化できるサービスなどを使えば、さらに手間をかけずに営業活動が行えます。
どの営業手法が最適なのかは扱う商材によって異なるので、しっかり検討することが大切です。