営業における即戦力の人材とは、研修などを行わなくてもすぐに仕事を任せることができる人を指すことが多いです。早期に即戦力となれば、教育などの企業側の負担を最小限に抑えられます。
近年、企業間の競争が激化しているとされます。その中、すぐに戦力となる人材が増えれば、それだけ企業が持つカードが増えるということになります。
では即戦力となる営業マンを育てるためには、一体何から始めればいいのでしょうか。
本記事では、即戦力の営業マンを育てるためのポイントや、効率よく営業活動を行うための方法などをご紹介します。
目次
即戦力って一体?
一般的に企業が求める即戦力とは、「訓練や準備などに時間をかけなくても、重要な働き手となる人物」のことを指します。また適応力やコミュニケーション能力など、ビジネスにおいて必要な能力も求められることが多いでしょう。
特に転職してくる社員においては、多くの企業は即戦力を求めます。
さらに社員の育成も大事です。若手の社員を早期に即戦力化できれば、それだけ営業チームの戦力となるでしょう。
では具体的に、即戦力とはどんな人材を指すのかをご紹介します。
特定の資格やスキルを持っている
専門的な知識や特定の資格、スキルなどを持っている人は、即戦力となりやすいとされています。
資格があれば、その分野に関する専門的知識とスキルがあることが証明されます。そのため、他の人材と同じような経歴を持っている場合、多くの企業は資格やスキルがある方を優遇します。
企業が求めている資格やスキルを取得していれば、即戦力として数えられることも多いでしょう。
実務経験が豊富
たとえ特別な資格やスキルがなくても、実務経験が豊富なビジネスパーソンは優遇される傾向にあります。資格やスキルだけあっても、実務経験が少なければ臨機応変に対応できない場合があるからです。
実務経験が豊富な人は、適応力やコミュニケーション能力に優れていることも多いです。営業マンはこのような人間力を重視することも多いため、実務経験はかなり重視されるポイントといえるでしょう。
またどちらか一つというよりは、この2つが揃っている人材のことを「即戦力」と呼ぶ企業も多いです。
即戦力営業マンへ成長させるには?
多くの企業は即戦力となる営業マンを欲していますが、なかなか理想の人材に出会えることは少ないでしょう。そのため、自社の営業マンを早期に戦力化させる育成制度の制定が重要といえます。
ここで、新人や若手社員などを早期に戦力化させるための方法についてご紹介します。
OJTとフィードバック
営業マンには実践で覚える知識も多くあります。そこで、OJTとフィードバックを繰り返すことがおすすめです。
OJTとは、上司やリーダー、マネージャーなどに同行し、実際の現場で業務をさせることです。実務を通して若手社員に知識やスキルを継承していきます。効率的に現場で教育を行えることが特徴です。また実践で覚えられるので、研修のためのコストがかからないというメリットがあります。
営業マンの場合、商談に同行して商材の説明方法や商談の流れなどを確認します。そして帰社後には、営業活動のフィードバックを行います。
若手社員が自身で営業活動の反省点や改善点を考えることで、自ら考える力もつくでしょう。
こうして、実践→フィードバック→実践のサイクルを繰り返すことで、早期の成長が期待できます。
フィードバックは具体的に行う
教育する側は、フィードバックを具体的に行うように注意しましょう。
たとえば「ヒアリングの方法が悪かった」といわれても、若手のうちはどう改善すればいいのか分からないことも多いです。
ここでは「相手の課題を具体的に話してもらうには、こんな聞き方がおすすめだ」のような具体的なフィードバックを行いましょう。そうすることで改善点が分かりやすく、次に活かしやすくなります。
ただし一度の多くの改善点を伝えると、若手社員が混乱してしまう可能性があります。フィードバックはできるだけ一つに絞りましょう。
マネジメント視点を常に意識させる
育成を担当する社員にはもちろんマネジメント視点が必要ですが、若手社員にもマネジメント視点を意識させましょう。案件や売上など、あらゆる管理項目を自分で管理できるように導きます。
マネジメント能力は、「管理する能力」のことを指します。また物事の管理や運営を行う能力のことを指す場合もあります。
早いうちからマネジメント能力を身につけ、マネジメント視点を意識することで、置かれた現状を素早く把握し、案件や売上などをあらゆる項目を自分で管理できるようになるでしょう。
商談での成功体験を実感させる
営業活動においては、「ロープレ」などがよく行われています。ロープレとは商談を疑似体験させることです。実際に近い流れで商談を行うことにより、営業活動を体で覚えられます。
目的やシチュエーションを明確にすれば再現度が高くなり、本番同様に準備できます。顧客像や目的、場面などをできるだけ細かく設定することをおすすめします。
ロープレ中に課題などを見つけたら、その場でフィードバックを行います。ロープレで成功体験を繰り返し経験することで、必要なスキルを徐々に身につけられるでしょう。
また早めに実際の商談で成功体験を実感させる方法もあります。成功体験として認められることにより、仕事へのモチベーションが上がって自信がつく、といった効果も期待できます。
貴重な営業人材を台無しにしないために
では貴重な営業人材を失わないために、上司やマネージャーなどはどんなことに気をつければいいのでしょうか。
ここでは、育成する側が気をつけたいポイントについてご紹介します。
管理を怠らない
育成時には若手社員の管理を怠らないことも重要です。
育成する側は、対応案件や育成度などを常に確認しておきましょう。
また、営業プロセスやポイントは体系化しておきましょう。営業プロセスは顧客と接触し、契約に至るまでの工程です。自社の営業プロセスと成功のポイントを体系的にまとめておけば、指導内容が大きく変わることもありません。
教える人によって指導内容が異なると、若手社員が混乱してしまいます。何を取捨選択すればいいのか分からず、思い悩んでしまう可能性があります。
このようなことがないように、指導内容の管理や育成度などをしっかり確認することが重要です。
顧客理解を深めさせることも重要
実際の営業活動に同行させて、顧客理解を深めさせることも重要です。商談の内容を細かく見て記録することで、顧客がどんな課題を抱えているのか、その課題を解決するためにどんな取り組みが行われているかが把握しやすくなるでしょう。
また記録をもとに振り返りを行うことも大切です。顧客の悩みを正しく把握できているか、顧客のニーズを理解しているか、悩みを解決するにはどんな方法が適しているかなどを確認しましょう。
顧客を理解するということは、顧客が求めるものを理解するということです。早めにこの視点を持てるように、大切さを教えておきましょう。
成長を妨げる行動をしない
何事もモチベーションがなければ上達しづらいものです。そのため、若手社員の成長を妨げるような行動はとらないようにしましょう。
たとえば仕事を巻き取りすぎてしまうと、若手社員にただ焦りを与えてしまいます。また「大変だろう」という気持ちなどから「楽な仕事しか与えない」といったことも避けたほうがよいでしょう。
「自分は期待されていないのではないか」「しっかりと仕事を教えてもらえない」という気持ちになる可能性が高く、成長の機会を奪ってしまいます。
教えることはしっかりと教え、褒める時にはしっかり褒めることが重要です。ダメ出しばかり受けていてはモチベーションが上がらないため、適度に評価し、褒めることが重要です。
上から目線にならないようにしよう
指導しているという立場から、つい上から目線で物事を伝えてしまうこともあります。このような行為や、また新人や若手を見下すような態度は避けましょう。
若手のモチベーションを下げるだけでなく、信頼関係を失う原因となります。
たとえ部下や後輩であっても、一人の人間として関係を築くことが重要です。指導をする時は、上から目線ではなく「横から目線」で行うようにしましょう。
即戦力営業マンがいなくとも…
「即戦力の人材がいない」「もっと営業部門に人材が欲しい」などの悩みを持っている企業も多いのではないでしょうか。自社が求める即戦力となれる人材は、なかなか育たないものです。
その場合のおすすめは、外部リソースなどを積極的に利用することです。外部企業が展開しているサービスには、即戦力となるような経験豊富な営業マンが多数在籍していることが多いです。
コストはかかりますが、一から人材を育成することを考えれば、十分選択肢に入るのではないでしょうか。
ここでは、即戦力となるような営業マンが在籍している、また効率的な営業活動をサポートしてくれるサービスを2つご紹介します。
コムレイズインキュベート
コムレイズインキュベートは、営業プロセスのオンライン化をサポートしてくれるコンサルティングサービスです。「オンラインセールスをこれから始めようとしている」「インサイドセールスでクロージングまでサポートして欲しい」などのニーズに応えてくれます。
コムレイズインキュベートのポイント
営業プロセス単位でのオンライン化が可能
営業活動をオンライン化することにより、少人数でも効果的な営業活動の実施が期待できます。しかしオンライン化により、パフォーマンスやサービス品質に影響が出るのでは、と心配している企業も多いです。
コムレイズインキュベートでは、リスクのある営業プロセスと、オンラインにすることで生産性の改善が期待できるプロセスとを見極めてくれます。
そして、企業ごとに適したプロセスを設計してくれるという特徴があります。
オンラインセールス独自のノウハウが活用できる
コムレイズインキュベートには、多数のオンライン商談によって培われたノウハウが蓄積されています。このノウハウや実績をもとに、オンラインセールスの強みを踏まえた独自のセールスプロセスや手法を設計してもらえます。
企業ごとに適したデジタルツールの提案
企業を事業・営業・顧客の3つの観点から見極めることで、それぞれに適したオンライン商談ツールを選定してくれます。
またツールの導入・活用支援も行ってくれるという特徴があります。
https://service.comrades-incubate.com/inside-sales
APOLLO SALES
APOLLO SALESは営業活動において欠かせない営業リストを自動作成してくれるサービスです。希望の条件を指定し、それに沿った企業を抽出して自動でアプローチも行ってくれます。
営業人材が足りていない、経験者が少ない、これから営業を始めたいなど、営業の人材不足で悩むさまざまな企業をサポートしてくれます。
APOLLO SALESのポイント
企業リストの自動作成
APOLLO SALESはアプローチしたい企業の条件を指定するだけで、インターネット上の企業情報を自動で収集し、リストを作成してくれます。自動で収集してくれるため、手間と時間をかなり削減できるでしょう。
また既存の企業リストをインポートすることも可能です。
営業リストに自動でアプローチ
営業リスト内の企業に対して、自動でメール送付を行います。メールアドレスがない場合は、問い合わせフォームに投稿することでアプローチできることが特徴です。
アプローチ結果はスコア化することで、テレアポ効率を向上させられます。
さらに効果測定機能でメール配信結果の効果測定を行えば、営業メール文面などパフォーマンス向上に役立ちます。
まとめ
新人や若手社員が早期に戦力となる方法の構築は、自社が継続的に成長するには欠かせないとされています。早期に戦力化させることで、組織の成長スピードを上げることにもつながります。
貴重な営業人材を無駄にしないためにも、管理をしっかり行い、成長を妨げるような行為は慎みましょう。
また「即戦力となる人材を確保することが難しい」「営業人材を育てるノウハウが不足している」などの悩みがある場合、外部リソースを検討する方法もあります。
コストはある程度かかりますが、経験豊富なスタッフと効率的なツールを利用することで、今よりも成果を上げられる可能性があります。
営業活動のおいて悩みにある方は、若手社員への指導方法を見つめ直し、場合によってはツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。