2016年に37.3億円の資金調達を発表したビズリーチ。ビズリーチは、ハイクラス人材特化の会員制転職サイト「ビズリーチ」。20〜30代をターゲットにした転職サイト「キャリアトレック」。求人・採用検索エンジン「stanby(スタンバイ)」の3つの転職サービスを展開しています。
今回の調達をベースに、クラウド型の採用管理システム「HRMOS(ハーモス)」等の新規事業や求人・採用検索エンジン「stanby(スタンバイ)」の事業拡大に務めると発表しています。
求人・採用検索エンジンと言えば、リクルートグループのIndeed(インディード)の認知度が高く、2016年に入ってからは、CM等のマス広告によって、よりエンドユーザーからの認知度が高まっている競業が存在するマーケットですが….
今回はそんなビズリーチが運営するstanby(スタンバイ)について、ご紹介致します。
Indeed(インディード)への掲載や代理店に関する情報が気になる方は、別途こちらをご参照ください。
stanby(スタンバイ)とは
stanby(スタンバイ)はIndeed(インディード)同様に求人に特化した検索エンジンです。
スタンバイは、インターネット上にある国内のさまざまな求人情報400万件以上を一カ所に集約し、自宅や、学校や、駅の近くにあるお仕事を、地図機能で見つけることができます。
地図情報から理想の仕事を見つける、新しい形のお仕事探しアプリ
スタンバイは、スマートフォンなどのGPS機能を活用し「地図」から仕事が探せます。
インターネット上にある国内の全業種・職種・雇用形態を網羅し、あなたの働きたいところに仕事を見つけてくれる、新しい形のお仕事探しアプリです。複数の大手求人サイトの求人を横断して一括検索ができ、検索可能な求人件数は400万件を超えます。
こだわり条件と希望の「勤務地」を組み合わせた検索により、いつでもどこでも、自分に合ったお仕事を効率的に探すことができます。すべての働きたい求職者とすべての採用したい企業が出会える場をつくり出す
スタンバイは、求職者だけでなく、求人情報を掲載する企業や地方自治体、各種団体も無料で求人ページを作成・公開・管理することができ、採用成功時も追加手数料は必要ありません。
スタンバイは、すべての企業が無料で簡単に採用活動でき、すべての求職者が日本中のあらゆる選択肢から効率的に仕事を選べる、自由でオープンな採用市場を目指します。
すべての働きたい人々に、多様な可能性の中から、仕事に出会える場所を。
すべての採用したい人々に、無料で簡単な採用サービスから、人材に出会える場所を。
すべてを「スタンバイ」ひとつに集めていきます。
引用元:スタンバイ
stanby(スタンバイ)の特徴をまとめると、
・完全無料で求人掲載が可能。 ・求人応募者とチャットやビデオ通話での対話が可能。 ・位置情報や地図から求人検索が可能。 ・地方自治体やNPOの求人が充実している。 ・記事コンテンツが充実している。(みんなのスタンバイ)
上記5点に整理されます。
完全無料で求人掲載が可能。
出典:https://stanby.co/
stanby(スタンバイ)は完全無料で、職種、給与、勤務地などの情報を入力するだけで、正社員からアルバイトまで、手軽に求人ページを作ることができます。
求人ページはスマートフォンにも最適化されており、求人情報の編集や更新もいつでも可能になっています。
stanby(スタンバイ)上で作成した求人はstanby(スタンバイ)へすぐに掲載され、求人検索エンジンであるstanby(スタンバイ)で検索することができます。
また、自社のHPにリンクを貼ることで、採用ページが無い企業でも、簡単に採用ページとして使うことができます。
求人応募者とチャットやビデオ通話での対話が可能。
出典:https://stanby.co/
stanby(スタンバイ)で掲載した求人に応募された求職者の方とチャットやビデオ通話(アプリのダウンロードが必要)を通して、選考の日程調整を行うことができます。
位置情報や地図から求人検索が可能。
出典:https://jp.stanby.com/media/
これは推測ですが、stanby(スタンバイ)のCMをみていると、この位置情報や地図から求人検索や応募ができる部分を強く押しているため、アルバイト系の求人を強めたい意図があるように思います。
正社員やアルバイトの方が仕事を選ぶポイントとして重用ししているのは、共通して仕事の内容が最も多いと言われていますが、2位に関しては大きく異なります。
正社員の場合は給与を重視していますが、アルバイトの場合は勤務地を重要視しています。
勤務地を重視しているアルバイトを希望する求職者の需要に応える為に、自分の重要な位置(自宅や学校等)から通勤しやすい仕事を探せる機能を設けることで、アルバイトユーザーの囲い込みを計っているのではと思います。
地方自治体やNPOの求人が充実している。
出典:https://jp.stanby.com/
stanby(スタンバイ)の求人カテゴリとして、従来の「求人検索」に加えて、「アルバイト」、「就活生向け」、「ボランティア」、「NPO法人」、「鳥取県のハローワーク情報」に別れており、これらのカテゴリに特色を持たせたい意図を感じます。
鳥取県のみのハロワーク情報がカテゴリになっている理由は定かではなありませんが、他の求人検索エンジンとは違った切り口で検索エンジンを構成することで、stanby(スタンバイ)独自の特色が出ているのではないでしょうか。
記事コンテンツが充実している。(みんなのスタンバイ)
出典:https://jp.stanby.com/media/
stanby(スタンバイ)にはみんなのスタンバイという記事メディアがあり、求人に関る様々な情報を記事コンテンツ化しています。
求人情報だけではなく、自分の気になる勤務地の情報や求人マーケット全体の情報を得ることで、自身の就職活動に活かせるのではないでしょうか。
stanby(スタンバイ)に掲載するには
stanby(スタンバイ)に求人情報を掲載するには、2つの方法があります。
スタンバイ・カンパニーへアクセスし、WEBページより求人情報を作成
出典:https://stanby.co/
WEBページからの求人情報作成は以下の手順になります。
スタンバイ・カンパニーへアクセスし、上記赤枠の【無料求人ページ作成】をクリック。
↓
出典:https://stanby.co/signup#/
必要事項を記入の上、アカウントを作成。(利用規約・掲載ガイドラインの確認を忘れずに。)
↓
出典:https://stanby.co/contents/guideline
アカウントを作成後、求人作成
URL:https://stanby.co/signup#/
スマートフォンから所要時間3分で求人掲載
出典:http://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2016/0727.html
2016年7月27日にリリースされた「スタンバイ・カンパニー」のアプリ。ios版、Andoroid版の両方が対応しており、以下の手順で簡単に求人を作成することができます。
「スタンバイ・カンパニー」アプリ 求人のつくりかた
1.位置情報を取得し、地図情報から店舗や会社の住所を入力
2.ナビゲーションに沿って募集職種・業務内容・給与・連絡先など必須情報を入力
3.シフトや応募条件を、選択式で簡単に入力
4.求人情報に掲載する写真は、スマートフォンから撮影した画像を使用できます
5.公開後もアプリ上で、いつでもどこからでも編集可能です
6.メールの送信、電話の発信と連携しており、候補者への連絡はアプリから行えます
(今後、アプリにメッセージ機能を追加し、候補者と連絡をとれるようになる予定です)
引用元:スマートフォンから約3分で求人掲載!無料の求人作成アプリ「スタンバイ・カンパニー」リリース
この機能は、パート・アルバイトを多く抱える店舗業やサービス業に向けたサービスで、ITリテラシーが低くてもアプリを使えば、簡単に求人掲載から応募管理までができる機能を構築し、個人商店のオーナーや中小企業の囲い込みを計る狙いを感じます。
stanby(スタンバイ)の今後の展開は
これまで、stanby(スタンバイ)の概要や掲載方法に関してまとめてきましたが、いかがでしょうか。
ここからは、stanby(スタンバイ)が今後どのような展開をしていくのか。筆者の主観と想像でご紹介します。
Indeed(インディード)が対応していない領域を強化していく!?
求人検索エンジン=Indeed(インディード)と言わざるおえない程の圧倒的なUU数と企業利用数を誇るIndeed(インディード)ですが、今後Indeed(インディード)と全く同じことをしていては、ユーザーの支持を得ることができないのは、言う迄もありません。
以前、こちらの記事でも紹介しましたが、パンダアップデートによって、アグリゲーションメディアのSEOが弱まる現状の中、今後ユーザーの目に多く触れるためには、stanby(スタンバイ)というブランドをユーザーに認知させることは勿論ですが、独自コンテンツの充実化を計り、WEB検索でも競争力を持つ必要があります。
そこで、Indeed(インディード)が有していない地方創成、地方自治体、NPOといったカテゴリ内の独自コンテンツ強化やアグリゲーションしている求人と記事コンテンツの紐付きを強化し、メディアとしての独自性と検索対策を行っていくのではないでしょうか。
店舗オーナーの囲い込み強化
日々、私たちの目にする街の飲食店ですが、ほとんどのお店は、オーナーがお店の中に入り、朝から晩まで必死になってお店を回し、生計を立てているケースがほとんど。会社の収益と自分自身の生活費が一緒になっており、うまく管理できていない方も多いと耳にします。
求人に関しても従業員の紹介やお店のファンやお客さんが中心となるケースが多く、一般の求人媒体に掲載しようとしても、費用が高く、中々従業員の採用ができていない実態があります。
また、決してITリテラシーは高くないため、ITリテラシーを高めた営業マンとのギャップがあり、中々求人掲載もうまくいかない実態があるのではないでしょうか。
そこで、そういった現状の課題を解決すべく、アプリでも簡単に求人の掲載や求職者とのやりとりができ、採用が可能なプラットフォームとして、stanby(スタンバイ)というプラットフォームを展開していくのではないでしょうか。
多くの店舗オーナーを囲い込むことができれば、他の課題(カード決済におけるキャッシュフローの問題等)の解決にもアクションを起こすこともできます。
海外マーケットの模索
出典:https://www.stanby.com/
stanby(スタンバイ)のURLをみてみると、https://jp.stanby.com/「stanby」の前に「jp」の表記があります。
もしや!と思い、「jp」を除いて検索してみると、「https://www.stanby.com/」stanby(スタンバイ)のUSサイトが…。
他にもindia向けのstanby「https://in.stanby.com/」が存在していました。
これは、国内だけではなく、stanbyを海外にも展開を計り、市場シェアを獲得しにいくのではと推測しています。
まとめ
stanby(スタンバイ)の現在の収益源は、yahooスポンサードサーチの提携パートナー以外は公表されていません。また、stanby(スタンバイ)は5年以上の時間をかけて、黒字化していくという経営方針を打ち出している現状を考えると、現状では国内も海外もユーザーの求めるニーズを追求しつつ、マネタイズの方向を模索している段階だと思うので、今後どのようなサービス提供やビジネスを展開していくのか。
楽しみですね!